職業「無職」

社畜から無職になったアラフォーの奮闘記

治療の為には避けて通れない「注腸製剤」初使用の話

 

潰瘍性大腸炎というのは、なぜか直腸(肛門からすぐ近くにある腸)から悪くなるケースが多い。

 

治療薬は主に飲み薬だが、もうひとつポピュラーな治療薬がお尻から入れる注腸製剤だ。

肛門近くにある傷を治すには、薬を肛門から入れるのが効率的だし理にかなっている。(肛門を連発して何かに引っ掛からないだろうか…。)

 

頭ではわかっている。

でも抵抗感が強すぎる。

ずっと避けてきたが、とうとう処方されてしまった。

 

今回は、初めての注腸製剤「レクタブル」との奮闘ぶりをお伝えしたい。

また、使い方やコツなども記載したので、参考になれば幸いです。

 

 

座薬へのトラウマ

私は物心つく前(おまるに座っている時代)から酷い便秘だった。

その頃の記憶はあまり無いが、浣腸を片手に迫りくる母から、泣きながら必死に逃げ回っていたのをおぼろげに覚えている。

座薬はそれ以来やっていない。

要するに、座薬に対してはトラウマ級の記憶があった。

 

飲むか、挿すか

潰瘍性大腸炎が発症していない時は、炎症を抑える飲み薬のみで良いが、一旦再燃すると更に強く炎症を抑える薬であるステロイドを服用しなければならない。

 

ステロイドは世間で知られているように、副作用が多い。

潰瘍性大腸炎治療の上でも安易な使用は避ける事になっているようだ。

初めて再燃した時、ドキドキしながらステロイドプレドニン)を服用したのを覚えている。

 

1ヶ月間の服用だったが、その時は結局副作用は出なかった。

それどころか、体が動かない程ひどかった倦怠感が消え失せ、心身ともにパワーがみなぎり、かなりのハードワークも乗り切った。

睡眠時間が短くても不思議と眠くならなかった。

アレルギーも完全に収まり、まるで無敵になった気分だった。

それだけに服用が終わった後の現実に戻された感は何とも言えなかった。

 

今回、2度目の再燃となって内心ステロイドの服用を楽しみにしていた。

しかし処方されたのは飲み薬ではなく、お尻から入れるタイプのステロイド注腸製剤「レクタブル」だった。

ステロイドでも、下から入れると副作用や内臓への負担が少なくなるらしい。

飲むタイプより体にも傷にも良い事は理解した。

 

しかし、家に帰り箱を開けると、想像を遥かに超えるモノが出てきた。

 

注腸製剤「レクタブル」初対面

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何が想像を超えていたのかと言うと、

✔ 挿入部の長さ(約6センチ)

✔ 使い切りではない(14回分)

✔ 高圧ガスで噴射するタイプであること

 

本来、その穴は出すことに特化した部位で、入れる事に使われるなどと誰が予想出来ただろう。

そして、自ら入れた経験などもちろん無い。

そんな状態でいきなりこれを挿せというのは酷ではないだろうか。

穴が無理だと叫んでいる。

 

しかし人間、追い込まれると大抵の事は出来てしまう。

潰瘍性大腸炎の辛さとを天秤にかけると、レクタブルが圧勝だった。

 

レクタブル初使用

初めてのレクタブル注入は風呂場でやる事にした。

 

その前に、まず説明書を熟読する。

なんとご丁寧にも、動画で使用方法が紹介されている。

これはとても有難く、もし無かったら初注入は不発に終わっていたと思う。

 

www.eapharma.co.jp

 

レクタブル使用時における重要なポイントは次の2つ

① 薬剤をしっかり溶かすこと

② 差し込みノズルにワセリンを塗ること

 

については、溶けた時の音が動画で聞けるので必ず確認して頂きたい。

溶かし方が不十分だと振った時に「ペチペチ」とした音がするが、十分溶けていると「シャバシャバ」という泡っぽい音に変わる。

 

体温で溶かす事が推奨されているが、冬は体温が低くなかなか溶けない。

なので、お湯を2秒程あてては振って、またお湯に2秒程あてて振って・・を繰り返した。

高圧ガスなので40℃以上にはならないよう注意した。

 

のワセリンは、これもかなり重要だ。

ワセリン無しと有りでは挿入時の苦痛が段ちだ。

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自分はこのくらいの量がちょうど良いと感じた。

これ以上つけるとお尻も指もヌルヌルになり非常に不快だった。

少ないとも思えるが、指で丁寧にノズル全体に塗り広げると何とも良い具合だ。

 

いよいよその時が来た。

説明書にある体勢になる。

浴槽の淵に足を乗せるが、どの程度体を傾ければ良いのか分からない。

これは使用開始から半月以上が経った今でも謎のままだ。

 

穴の位置がすぐ分からないかと思ったが、そこは案外簡単にクリアした。

勇気を出し差し込む。

何となく左右に振りながら入れてしまいたくなるが、そうするとただれた直腸が刺激されて辛い。まっすぐ素直に入れよう。

 

痛さというより恐怖感が強く、最後まで差し込めなかった。

半分は入っただろうか。

初めてなのでこれで良しとして、注入した。

 

f:id:solomusyoku:20211217214416p:plain※余った薬剤を試し打ちした様子

「ウゥッ・・・・・!!」

思わずうめき声が出た。

これもまた想像を遥かに超えた圧が直腸を襲った。

本来は注入後15秒はノズルを抜かず待機するのだが、驚いて思わずすぐ抜いてしまった。

薬剤の泡がお尻から少し出ているが、うまくいったようだ。

 

ちなみにYouTubeの体験動画を見ると不発の時が多々あるようだが、私は半月で1回不発らしき時があったかもしれない、という程度だった。

不発かどうかは直腸が感じてくれる。

薬剤はかなりの量だ。

 

事後

こうして注腸製剤「レクタブル」の初使用が無事に終了した。

肝心の病状だが、速攻性は無く1週間後くらいに少しずつ効いてきた。

理屈通りに行けば、飲み薬よりも傷口にダイレクトに届く注腸製剤の方が効き目が抜群な気がするが、そううまくはいかないのかもしれない。

トイレに駆け込む回数は激減したものの、便意切迫は続いている。

 

そもそも使用方法が悪いせいである可能性も否定出来ない。

使用してから半月以上経っているが、実はノズルを全部挿せた事が一度も無い。

挿す角度が悪いのか、薬剤が半分以上出てしまう事もしばしばある。

正しい入れ方を知りたいが、こればかりはGoogle先生も教えてくれない。

そして今夜も格闘する。

 

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初めて使用される方の恐怖心が少しでも和らげば嬉しいです。

最後までありがとうございました。

 

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